会社の決算書の読み方
自分でも株式投資をやるにあたって、会社の決算書を少し見るようになったんですが、見てもよく分からないんです…
もっと噛み砕いて教えて欲しいです。
今日は財務三表とは何かを解説していきます。
少し難しい言葉もあるかもしれませんが、最低限株式投資をやるのであれば絶対に覚えておかないといけないことなので是非最後まで見ていただければと思います。
▼動画で内容を確認したい方はこちらからどうぞ。
財務三表とは?わかりやすく解説
これは三表と言われている様に、一つ目はPL(損益計算書)、二つ目はBS(賃借対照表)、三つ目はCF(キャッシュフロー)のことです。
1つずつ解説していきます。
PL(損益計算書)
企業会計において赤字なのか黒字なのかと。
この言葉はPL上の話をしているんです。
つまり利益が出た、もしくは損失が出た。
これが表されているのがPLなんです。
例えば企業決算で第10期の利益がこうでしたというのは、第10期の始まりの日から終わりの日までを切り取って見ているんです。
つまりPLを見るにしても、過去3期を遡ることが必要です。
そして売上成長率が毎年伸びているのか?
その中で赤字が増えているのであれば、健全な赤字なのかもしれない。
つまり複数年に渡ってPLを見ましょうということが非常に大切です。
黒字・赤字だけでは正直その企業の中身というのが見えてきません。
倒産確率も一切見えてきません。
つまり、赤字だったとしても資金調達をし続けることができれば会社は倒産しないんです。
一生赤字の会社だけど倒産しないというのも物理的にはあり得るということです。
BS(バランスシート)
これはバランスシートと言うんですが、私は企業経営において一番大切なのがバランスシートだと思っています。
「今資金がいくらあるの?」「今どれだけの借り入れがあるの?」など、ここで二つ目のバランスシートが非常に大切になってきます。
バランスシートというのは、BSと略されるんですが日本語でいうと貸借対照表。
これが何かというと、「今どれくらいの資産を持っていてどのように企業活動において資産を増やしていったのか?」というのが見られるんです。
先ほどPLはとある期間のものと言いました。
一方BSは創業から現在までのすべての累積なんです。
PLの場合は、10年前の業績を忘れることができます。
見えていないから。
ただバランスシートというのは、ひたすら蓄積されていきます。
なのでこのバランスシートの過去3年分の動きを見ていくと、どのような経営をしているのかというのが分かるんです。
例えば融資を受ける、もしくは出資を受ける。
出資というのは会社が成長すると見込んで出資者の方が出してくださるお金ですね。
このような方法で企業は資金調達をします。
その資金調達したものが今現金として置かれているのか?
これだと効率的ではないですよね?
銀行から借りた場合は金利がかかりますよね。
つまり借りたお金をそのまま現金としておいておいたら借りている意味がないんですね。
なぜかというと、利払いが増えてPL上赤字になりやすい。
なのでPLとBSっていうのは完全に連動しています。
ここについて話し始めるとかなり長くなってしまうので、また別の動画で解説しようと思います。
バランスシートが資産を見ているという点は覚えておいてください。
CF(キャッシュフロー)
つまり資金繰りのことです。
「お金がいくら増えたのか?減ったのか?」というキャッシュの増減の話をしています。
よくソフトバンクグループの決算で「3兆円の赤字」と言われていますが…
キャッシュフロー上では3兆円動いていません。
つまり持っている10兆円の株式が、7兆円に下がったという話なので、この場合投資会社としてはPL上は影響が出ますが現金は減っていないわけです。
キャッシュフローの中にも「営業キャッシュフロー」「投資キャッシュフロー」「財務キャッシュフロー」といい、細かく分かれます。
営業キャッシュフローというのは、日頃の営業活動を行うことによる資金の増減のことを言います。
社員さんに人件費を払うなど、お客様から商品を買っていただいて売上が入金されるなどこの動きが営業キャッシュフローです。
財務キャッシュフローというのは、それこそ資金調達です。
投資家の方から株式を発行して資金調達させていただいたと。
これは本業ではないですよね?
資金調達が上手くいっただけです。
これが財務キャッシュフローなんです。
つまり資金調達活動を含めたものです。
投資キャッシュフローは例えば企業が工場を建てること、株式投資をした、などです。
こういった投資に対するキャッシュフローの動き。
1兆円分の株式を買ったら、1兆円分のキャッシュが出るじゃないですか?
これが反映されるのが、投資キャッシュフローなんですよ。
これらすべてのお金の動きを全部ひっくるめたものがキャッシュフローと言って、お金が純粋に増えたのか減ったのか。
会社が持っているすべてのお金の動きがキャッシュフローなんです。
大きく3つの財務三表。
これがどのように連動しているのかを見ていくことで、その企業の実態が分かってきます。
たまに粉飾決算をしている企業がありますが、この3つを見れていたら全部防げるようになります。
粉飾決算をしている企業の見分け方
となると、実際に売上と言っているが回収が進んでいないということなんです。
つまり、バランスシートを見に行くと現預金は増えていないんです。
売れただけで回収できていないので、バランスシートの売掛金というのが増えていっています。
これは架空の契約書をまいて、たくさん売上が増えているんだよと見せることができるんです。
固有名詞を出すのもですが…
少し前に超有名企業の東芝が大々的な粉飾決算をしていたと。
これがまさに架空売上でした。
グループ会社の間で買ってもらったりしながら売上を回している。
だけどキャッシュは動いていないというように、財務三表すべてが連動しています。
少し難しいかもしれませんが、株式投資で結果を出すためには絶対に覚えておかないといけないことになります。
自力で企業を見極める方法
最後にそれをお話して締めくくりたいと思います。
上場企業のHPに飛ぶと、IR情報という項目があります。
その中に創業から今日までの決算書。
これが3ヶ月に1回必ずアップされているんです。
1年間追いかけるだけで4回の決算書が見られるんです。
これを3年分(12回)見ていけば話したことの意味が分かってくると思います。
他にも参考になるリンクを下に貼っておくので良かったら勉強していただければと思います。
【決算書の見方・読み方に関連する動画・サイト】
【10分で要約】世界一楽しい決算書の読み方|投資をするなら決算書を理解しよう
https://youtu.be/NgizC-9CFII
【新刊】決算書の読み方のコツ!はじめてでも数字が読めて株やビジネスに活かせます
https://youtu.be/J6-TKGLm0nU
「損益計算書」の見方。○○利益ってやつ種類多すぎて多すぎて震える
https://youtu.be/Df_Dtvewd3U
貸借対照表(B/S)はどこをどう見れば良いのか?決算書の読み解き方【基礎編】
https://youtu.be/4CkQVpDiWIA
【PLとの違いは?】銘柄分析で重要なキャッシュフローとその考え方について解説!
https://youtu.be/0jyA50M_iQQ
経理COMPASS|決算書のチェック項目-読み方・使い方の基礎知識
https://advisors-freee.jp/article/cat…
マネーフォワードクラウド会計|理解しておきたい決算書の見方の基礎
https://biz.moneyforward.com/accounti…
「勉強したけれど難しいな…」という方がいらっしゃれば、気軽にご質問いただければと思います。
安藤義人 公式LINEアカウント
https://line.me/R/ti/p/%40981upsvf
※ 友だち追加後にメッセージをお送りください
今日は決算書の中でも「財務三表」の話をさせていただきました。
ありがとうございました。