ソフトバンクグループが大赤字!?何が起きている?
結構な額の赤字なので大丈夫なのかな?と…
新聞がですね「1.7兆円の赤字!」っていうのを大文字で書くものだから「ソフトバンク大丈夫かな?」「孫さん、大丈夫かな?」って騒がれていますけど。
ちなみに、丁度1年前の前期の決算。
いくら黒字だったか知っています?
▼動画で内容を確認したい方はこちらからどうぞ。
もうジェットコースターみたいに動いているんですけども、何でこんなになっているかって分かりますか?
ソフトバンクグループだと、今後もこういう事がよく起きます。
なので、投資家も全然びっくりしていなくて。
事実、1.7兆円の赤字と発表した翌日の株価12%上がってますからね。
ソフトバンクグループの株主にとっては、この乱高下は別にどうでも良いんですよ。
なぜここまで動いてしまうかっていうと、ソフトバンクグループってそもそも「投資会社」なんですね。
大赤字が出た理由を解説
ソフトバンクグループという孫さんが社長の会社は、あちこちに投資をしている会社なんですよ。
大きいのが「ソフトバンク・ビジョンファンド」と言って、世界中の投資家からお金を集めて、これから成長するであろうAI系のベンチャーに出資をする。
そしてその会社が上場することによって、持ち株の価値が上がると。
これをメインの事業にしているんですね。
昨年は世界的に株式の市況が良かったんです。
なので出資していた会社が次々に上場して。
例えば韓国の「クーパン(Coupang)」という会社があるんですけど。
その会社1社で、2.8兆円ぐらいの上場益を手に入れています。
クーパンとは?
韓国最大のネット通販サイトを運営している。
「韓国のAmazon」とも言われているユニコーン企業のこと。
ただですね、この1年でクーパンの株がだだ下がりでして…
クーパン1社で1.7兆円くらいの赤字を出しているんですよ。
で、他にもいっぱい赤字もあるし、値上がりもした株もあるし。
色々とまとめていくと、1.7兆円の赤字でしたっていう話であって。
つまり、現金の出入りと全く別の話として、会計上赤字になっていますと。
なので別に投資家はこれに対してネガティブな反応をしなかったという話です。
通常、投資会社でなければ、ソフトバンクグループみたいにアップダウンがあるような決算にはなりません。
世の中のほとんどの会社が他社の株式とかを持っているんですよ。
例えばトヨタ自動車。
誰でも知っている自動車の会社があります。
どこかに1兆円の出資をしました。
この1兆円の価値が5,000億円までに減ってしまったとしても、別に5,000億円の損失っていう風には表に出さないんですね。
彼らは「事業会社」であって、自動車を作って売るのが仕事ですと。
営業外の長期で資産運用しようと思って買った1兆円の株。
これはですね、1兆円の簿価のまま動かないです。
簿価(ぼか)とは?
簿価 (ぼか) 会計書類に記載されている資産や負債の価格のこと。 帳簿価額の略称です。 企業の保有資産について注目されることが多く、不動産などの固定資産は一般的に取得価格となっています。
例えば売却をした時に5,000億円で売ったと。
その時に初めて5,000億円の赤字を計上するっていう話なんですね。
本来3ヶ月に1回、決算を開示しないといけない上場会社には全く適していない会社なんですよ。
ソフトバンクグループって。
だから昨年の5兆円の利益の時点で、私とかは何も思わなかったですよ。
今度別の話として、上がった株価をその時にちゃんと売っていたとしたら、キャッシュインとして数兆円入っていた訳ですよ。
なので、定期的にソフトバンクグループって株の入れ替えみたいなことをしていて、キャッシュが増えたのか?減ったのか?ここが非常に重要になってきます。
孫社長推薦!投資会社の経営状況は3つの指標で把握できる
ソフトバンクグループ|2022年3月期 決算説明会
https://group.softbank/news/webcast/20220512_01_ja
ソフトバンクグループ公式|2022年3月期 決算説明会 プレゼンテーション資料
https://group.softbank/system/files/pdf/ir/presentations/2021/earnings-presentation_q4fy2021_01_ja.pdf
重要な指標というのがまず一つ。
「NAV(ナヴ)」というものがあります。
“Net Asset Value”でNAVという言い方をしているんですけど、これ時価純資産と訳せます。
ちょっと難しいですね。
その会社が持っている株式とか全ての資産の価値。
ここから借金や社債なんですけど、その辺りを控除する。
残った金額がその会社の実質的な資産なんですね。
この金額のことをNAVと言います。
これがソフトバンクグループ、今18兆円くらいあるんですけど。
ここの金額を見てくれというのを孫さんがしきりに言っています。
ただ1年半前からすると、このNAVも28兆円くらいあったものが今18兆円くらいに落ちてしまっているので、確かに下落傾向ですと。
二つ目が“Loan to Value”といって、LTVと書きます。
この指標が何かと言うと、要は持っている資産が100だったとして、借入がいくらあるのか?
孫さんは「25%までに抑えよう」という話をしています。
これ例えるとするとね、細川さんが100万円で売れるロレックスを今持っていたとしましょう。
それと同時に消費者金融から25万円の借入をしている。
こういう状態です。
今の話だけ聞くと、別に生活はそんなに苦しくないですよね?
自己破産のリクスもあまりないですよね?
今回の決算で発表されたLTVの数字が25%でした。
時価純資産がどんどん下がってきているんだけど、借入も金額も同時に下げていっているから。
常にLTVをコントロールしているので、そんなに不安視する必要はないよという話。
3つ目が、手元流動性といってキャッシュをどれだけ持っているの?と。
資産というのはほとんどソフトバンクの場合はほとんど株なので。
市場で売ってこないと現金化できないんですけど。
そもそもの現金として、今2.8兆円くらい持っているんですよ。
今後2年間の社債で返済しないと行けないお金が2兆円くらいあるんだけども、それを超える金額をキャッシュで持っている。
つまり何かあっても現金も大丈夫だし、キャッシュ無くなってきたら持っている資産を売っていけばいい。
ということで、ソフトバンクグループって全然怖くないですよという事を孫さんがキレイにスピーチをね記者の方に伝えていたので翌日株価が12%上がったと。
ソフトバンクグループの株は今買うべき?買わない?
いま5,000円くらいまで落ちています。
これ十分な割安な水準なんですね。
ソフトバンクグループの時価純資産(NAV)って、いま19兆円くらいなんですよ。
時価総額、つまりその会社まるまるの価値が8兆円という状態です。
ちょっと分かりずらいと思うので、100万円入っているお財布を50万円で売ってもらえるよって言ったらどう?
私も同じ考えですね。
先程言ったようにソフトバンクグループって浮き沈みが激しいから、孫さんが上場を取りやめてもうプライベートな会社にしようと。
先々こんな可能性もあるって言われています。
大体そういう動きになる前に株価って上がっていくものなので、今は大分底値圏にいるんじゃないかな?とは思います。
※投資を推奨しているわけではございません
もちろんね世界の経済状況は不透明なので、時期を考えながら株の取引をしていってもらえたらなと思います。
記事について質問などがあれば、気軽にご連絡していただければと思います。
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今日は「ソフトバンクグループの決算解説」についてでした。
ありがとうございました。