売買でもIT重説ができるように!これから普及するのか?
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2021年4月から売買契約もオンラインで出来るようになりました。
これをもって不動産業の領域は全てデジタルで契約ができるようになりました。
また業界特有の問題として、賃貸契約の場合は“賃料の1ヶ月分の仲介手数料しかもらってはいけない”決まりがあります。
8万円の家賃の家を決めてくれたとしたら、業者は8万円を貰えるのです。
しかし8万円の収入のために、多額の出張経費をかけられるのか?と言うと、かけられないんです。
そういう問題もあるので、コロナ前から賃貸に関しては解禁していたのです。
売買に関しては大きな金額ですし、対面でハンコを押すという文化がずっと根づいているのもあって売買はずっと導入されていませんでした。
私自身も宅建主任者としてIT重説をやったことがあります。
その時はZoomを使っていたと思いますが、画面共有しながら説明していくので遠方の方との契約に非常に便利でした。
双方が合意していれば、重要説明書を読んでいるアポイント自体を録画して残すことができるんです。
なので言った言わないがなくなるので、これは大きなメリットだと思います。
また企業側としては、オンラインであればカンペを出しながら話をすることができるので、若手の社員だったとしても重要事項説明を読むことができますよね。
お互い対面でない分、緊張がほぐれるというのもあると思います。
なので、従業員教育の観点で言っても、企業側にも非常にメリットがあると思います。
契約もオンラインでできるの?
しかしオンラインで出来るのは重説だけなのでしょうか?
契約は対面になりますか?
2021年4月にIT重説ができるようになり、その翌月にデジタル改革関連法という法律がありオンラインでの契約が可能と法案が通りました。
例えばクラウドサイン、ドキュサイン、GMOサインなど民間のIT企業のサービスを使って契約することが可能になっています。
オンライン契約のメリット
次に言った言わないが解消されます。
そして何よりメリットが大きいなと思うのが、契約書に貼る印紙代の削減になります。
印紙代って馬鹿にできないんですよ。
例えば1億円の物件を契約した場合は2万円という金額が税法で決められているんです。
双方の契約書に2万円の印紙を貼らなくてははいけないということです。
収入印紙は郵便局等で購入して、お互いが折半で負担します。
1億円だと2万円ですが、5億円だと10万円になるので、両者で20万円になりますよね。
しかしこれが電子契約だと不要になるんです。
皆さんも体感したことがあると思いますが、例えばレストランで食事をした際にクレジットカードで支払ったとします。
そして領収書をもらったときに「クレジットカード決済につき印紙不要」と書かれていて、貼られていないと思うんです。
あれと同じような話になります。
電子契約の場合は印紙不要というのは事業者側としては非常にメリットがあると思っています。
不動産テックは今後伸びる?
ただ完全に普及するには多くの時間がかかると思っています。
なぜかと言うと、抵抗勢力がすごいのです。
IT化していくとはどういうことかと言うと、透明性が出てくるということです。
不動産業はよく「情報の非対称性」と言いますが、情報を知っている人と知らない人の格差を利用して商売しているのが不動産業です。
それを知っている人は知らない人に対して3,000万円で販売できていたじゃないですか?
けれども、誰しもが「この物件の価値は2,000万円だ」と分かるようになるんです。
すべてデジタル上に履歴や記録が残るので困る業者も居て、これが抵抗勢力です。
邪魔をするはずなんです。
完全普及するにはそういった抵抗勢力の方々が大きな反発をすると思うので、かなり時間がかかると私はみています。
もちろん手段としてデジタル化していくのは当たり前のことです。
契約手続きがクラウドサインになったり、賃貸の内見がVRでパソコンの画面を見ながら部屋の中を見られるようになったり。
これらが出来るようになれば、だいぶ部屋のイメージがつくので、現地に赴く必要なく契約手続きを進められることもできます。
このようなツールはどんどん発達していくと思います。
物件情報サイトはどんなサイトがあるの?
レインズでも物件を見られますよね?
情報が流通していくという観点で言うと、レインズに国がもっと力を入れれば情報の非対称性はなくなっていくと思います。
レインズは日本独自の仕組みなのですが、アメリカの「MLS」を聞いたことはありますか?
Multiple Listing Serviceの略で、これがアメリカ版のレインズになります。
ここには膨大な取引データが残っていて、レインズよりより多くの情報が入っています。
日本ほど情報の非対称性はありません。
他にも民間の企業がやっている「Zillow(ジロー)」というサービスを知っていますか?
しかしZillowについて話そうとすると長くなってしまうので、次回にお話したいと思います。
今回はここまでで失礼します。
ありがとうございました。